とろみがある料理の突沸に注意せよ!

「料理は科学だ!」

とよく言われます。料理がおいしくなるのには必ず理由があり、もし料理が失敗したなら、そこにも必ず理由があるのです。

そこが理科室や実験室であっても、台所であっても、何かと何かを混ぜ合わせれば、変化が起こることがあります。
化学反応です。他の分子同牛が結合し、まるで別の性質を持つ物質に変化します。
化学反応でなくても、同じ物質が性質を変えることもあります。

科学少年

「水溶き片栗粉」を熱湯に混ぜながら入れると、とろみが付きます。これは、化学で言うところの「化学反応」ではありません。
片栗粉が性質を変えただけです。いずれにしましても、「変化」が台所で起これば、それは調理です。

料理は出来上がりを楽しみに待つ者、それを思いながらの調理過程が楽しいものであるべきです。
もし、料理中に、思わぬ事故が発生するとすべてが台無しになるばかりか、身体の損傷の危険もあります。
そこで、まずは、「とろみ」についての危険なことを紹介しておきます。「澱粉(デンプン)」のことを詳しく見てみましょう。

とろみをつけた料理では、中華料理が多いです。中華のとろみは「透明」です。そのほかに、シチューやカレーがあります。
特に注意したい料理では「昨夜のカレー」です。中華料理のとろみは完全に冷えると「とろみ」を失い、サラサラした液体に戻ります。
しかし、カレーは翌日に完全に室温まで冷えてもとろみを失いません。デンプンの種類と純度が違うからです。

個体を加熱すると、加熱部分から熱が伝わってきます。
熱を加えていない方を素手で支持することができ、食材を炙ったり、フライパンの柄を持ったりできるのは個体だからです。
長時間加熱を続けると、手元まで熱が伝わってしまいまうので、素手で持つことができなくなります。

水は流体ですから、加熱すると、個体のような熱伝導ではなく、容器内で対流が起こり容器内の水をまんべんなく加熱されます。
水は、開放(密閉されず、水蒸気が空中に放出される状態。常に外気と同じ圧力。ほぼ1気圧)状態では100℃で沸騰します。もし、水面が密閉されていたら100℃を超えても沸騰に至ません。
この状態で開放するのは非常に危険です。圧力が1気圧となり、突如、沸騰温度を超えた状態となるので、爆発的な沸騰現象が起こるからです。

「突沸」の危険性~昨夜のカレーを再加熱する際の注意点

突如、沸騰することを「突沸(とっぷつ)」と呼び、台所での事故として有名です。圧力鍋を火から降ろし、直ちに蓋を開けることが危険な理由はこれです。
蓋を開ける前に、必ず内部の圧力を下げねばなりません。安全コマを傾けて圧力を抜くか、流水で温度を下げることにより圧力を下げねばなりません。

しかし、圧力鍋でなくても突沸が起こることがあるので、予測できず事故になっています。

昨夜楽しんだカレーは、翌日に温め直すと、熟成が加わりとても美味しく頂けることが知られています。
この残りカレーの再加熱の失敗例は、「焦げ付き」です。とろみは肉のゼラチン質が加わりさらに引き締まっていることが多いです。固体化している場合もあります。
これをそのまま加熱すると、個体ですから対流が起こらず、鍋底で焦げてしまうのです。

問題は、固体化に至っていないカレーです。幾分とろみが強くなっているのは、デンプンによるとろみではありません。
デンプンは冷めると、とろみを失います。残りカレーのとろみはゼラチンや、小麦粉(ルー)由来のとろみです。
小麦粉にもデンプンは含まれていますが、デンプンの性質によるとろみではありません。

カレー

このカレーを再加熱すると、焦げつく前に、鍋底で沸騰が始まります。とろみがあるので、極めて対流が鈍い加熱です。
上部ではまったく対流の影響がない場合もあるでしょう。この状態は、前述の圧力鍋に似ています。水蒸気の逃げる穴がなく、圧力を高め続け、100℃を超えることがるのです。
その状態に気付かず、かき回し始めると、鍋底付近の100℃を超えた部分が一気に沸騰状態になり、爆発的に吹き上がることがあります。

台所での突沸事故は他にも形態がありますが、とろみがある料理の再加熱が原因となったとする報告が多いので、注意が必要です。
デンプンのみでのとろみはおおよそ、65℃以下になれば失いますが、それ以上であればとろみがありまです。
これを再加熱するときは、加熱してから混ぜるのでなく、対流を人工的に発生するつもりで、かき混ぜつつ加熱します。…科学ですね。

もう一つの事故要因だけを説明して、料理に入ります。

熱い食事に慣れていない幼児や欧米人に注意が必要です。とろみのない液体は「ズルズル」唇で音を立てながら吸うように食べると口元で冷ましながら頂けます。

しかし、欧米諸国をはじめ、この食事作法がタブーの文化圏が多いです。特に、とろみのあるスープ、例えば卵スープなどでは、冷めにくいので、火傷温度「65℃」の状態で口に入れる危険があります。
また、日本人でも「ズルズル」しにくいので、冷めません。とろみスープを供するときは、65℃以下に冷ましておくことが必要です。

デンプンのアルファ化とは? デンプンがアルファ化すると消化吸収がいい

中華料理ではお馴染みの「とろみ」。日本では「あんかけ」などの「あん」と呼ばれています。欧米ではこのようなとろみの付け方は馴染みのないものだそうです。
このとろみは「糊化(こか)」という現象によるもので、「アルファ化」とも呼びます。小学生の理科の実験でも馴染みのあることです。

アルファ化について、科学的に、少しくわしく説明します。

デンプンはブドウ糖分子で構成されている高分子(ハイポリマー)です。このブドウ糖の結合状態を大きく分けると「アミロース」と「アミロペクチン」があります。アミロースはブドウ糖分子が長い鎖状に結合している高分子です。
理科の実験で行った、ヨウド反応(ヨウ素水溶液を加えると変色(発色)する反応)は、「青」です。こちらの方は熱水に対して水溶性を示します。

もう一方のアミロペクチンも、やはりブドウ糖の高分子ですが、鎖状ではなく、入り組んだ「ツリー状」です。こちらは、水溶性ではありませんが、アミラーゼ(唾液や大根に含まれている酵素)で分解します。
ヨウド反応は、「赤紫」です。「もち米」のデンプンは100%アミロペクチンです。通常のご飯にする「うるち米」は80%です。

男子大人がサツマイモやカボチャを食すると、喉に使えるような感じがするのは、それらのデンプンがアミロペクチンの割合が多い食物で、女性に比べ咀嚼回数が少なく、十分に唾液が混ざらないため、アミラーゼによる分解が進まないまま食べるからだと考えられています。
餅にそれが起こらないのは、餅という特質上、男性でも十分咀嚼せねば喉をつまらせてしまうので、アミラーゼがしっかり混ぜ込まれるからです。

さつまいも

アルファ化となる前の状態をベータ状態と呼びます。
この状態は、アミロペクチンとアミロースが硬く結合している状態で、非常に強固な構造です。材木や紙の接着に使用できるほどです。
セルロースと強く絡み付き硬化するのです。体内にこのまま入っても著しく消化が悪いデンプンの状態です。

これに、加熱水を加えると、アミロースが溶けて結合が緩みます。アミロペクチンの方は溶けませんが、結合が離れます。
この状態にあるデンプンを「アルファ化澱粉」と呼びます。性状は糊状です。

デンプンをアルファ化(糊化)するためには、デンプンに水を加えて加熱すだけでは上手にできません。水(加熱していない水)には溶けないので、容器の底に沈殿しています。
そのデンプンに触れている水が加熱されると、その部分だけに糊化が起こり、その糊が沈殿デンプンの給水を遮断するので、全体が糊化しないのです。

上手に「とろみ」を付けるには、デンプンに水を加えてかき混ぜながら、熱い汁物に「の」の字を書くように投入します。

単なる「とろみ」とあなどることなかれ、こんなにも科学的な背景があるんです。少し難しかったでしょうか?

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「ベータ化」とは?~アルファ化したデンプンの老化

汁に水溶き片栗粉を入れて「とろみ」を付けるのは、デンプンの糊化現象を台所で起こすことです。この現象には、水が不可欠です。約15%以上の水分がなければ糊化しません。
この時のデンプンは水中を「コロイド」の状態で浮遊しています。コロイドとは、その粒子を構成する分子が水に溶けている化学反応ではなく、粒子一つ一つが液体の中で分離しているだけです。
粒子一つ一つの周りに水分子が触れている状態がコロイドです。

熱い汁に片栗粉を投入するときは、撹拌しながら「の」の字を書くように行います。のの字動作を省略して、そのままドボドボ入れると、糊化現象が、その汁の液面付近の同じ場所で次々に起こり、団子状になってしまいます。
要は、水溶き片栗粉を攪拌しつつ、投入下も攪拌状態であればいいのです。「ダマ」がある「とろみ汁」はこの現象を失敗しているのです。

糊化は水温60℃以上で起こります。ですから、水溶き片栗粉投入されて汁の温度が下がっても、60℃以下まで下がらなければうまくいきます。とろみをつけることはそれほど難しい作業ではありません。
汁の分量が少なく60℃以上を保つ自信がなかれば、弱火で加熱しつつ行でば問題ありません。「あんかけ」は「とろみ」を強くしたものと考えて良いでしょう。デンプンを多めに入れましょう。

とろみ

「あんかけ」も「とろみ」も、その料理が室温程度まで下がると糊化が失われます。これを「老化」と呼びます。
この老化を「再ベータ化」あるいは、単に「ベータ化」とも言います。

老化が起こりにくいのは、水分10%以下から、65%以上です。特に、35%から65%の食品で4℃以下であれば早く老化が起こります。
パンやご飯を冷蔵庫に入れると、カチコチのパン、ボソボソのご飯になります。これはデンプンの老化が原因です。

デンプンを多く含む調理済みの食品を急速冷凍乾燥(フリーズドライ)や、真空乾燥など、急速に乾燥させれば、老化を発生させることなく固型にできます。この方法で処理したご飯が「アルファ米」です。

また、大量の砂糖を加えることにより水分の働きを奪って老化させないのが「羊羹」です。老化した「あんかけ」を再加熱してもアルファ化しません。
そこで、冷えてもおいしい粘りを持たさるためには、デンプンの量を思い切って多くすることが必要です。

しかし、前述通り15%以上の水分は必要です。
お弁当に入れる「酢豚」の粘りはこの方法で得ます。暖かい状態の通常の酢豚より、意図的に多くの砂糖を使用し、甘味が強い酢豚にしましょう。日本の伝統菓子「羊羹」の原理を用いるのです。

料理を科学することによって、お弁当の酢豚を美味しい状態に保つことができるのです(笑)。

いい塩梅とは?「塩梅」の本当の意味を科学する

日本には「塩梅(あんばい)」ということばがあります。

 

塩梅「こいつはいいアンベー(いい塩梅)だ」などと、お風呂に浸かったおじいさんが声を出す場面もありますが、本来「梅」は「酢」を指していて、丁度良い加減の「酢」と「塩」の配合のことを表しています。
転じて、何事もバランスよく行うことを「いい塩梅」と言っています。お風呂の湯加減の「こいつはいいアンベーだ」はこちらに当てはまりますね。

日本の料理の「酢の物」には塩が欠かせません。
酢と塩をいい塩梅で使用しなければ西洋漬物のピクルスみたいになります。塩なくしては、「酢の物」ではなく「酢漬け」です。

魚でも野菜でも、食材に酢を加えるときは、その前に、必ず塩を加えて下処理を行います。
これは、食材切断面を柔らかくするためです。切り終えた食材に塩を振ると浸透圧の影響で、水分と、溶け込んでいる物質は、その濃度の低い方から濃い方へ、水分が、逆には、物質が移動し、食材内部と外部の汁が同じ濃度になろうとします。
塩が振られると、その塩分が薄まるよう、食材断面から水分が滲み出してきます。

植物の細胞内に水分が満たされていると、張っている状態ですから、「堅さ」があります。
細胞から水分が出るにつれ、張りが減ってきて、全体として、柔らかくなります。「萎んだ状態」です。
魚のような動物細胞の場合は水分が抜けると干からびた状態に近づくので、「締まった状態」となり、硬く感じます。

キュウリを例にします。
キュウリをスライスし、キュウリの重量の3%の塩を振ると、30分後には50%の水分が出てしまいます。
酢は液体ですから、キュウリから水分を減らさないで酢につけても、内部に染み込む余地がありません。
この状態ですと、キュウリのスライスの表面に酢が付いているだけですから、盛り付けたとき、酢が流れ落ちた部分とそうでない部分に大きな味のムラがあります。
多分、サラダを食べているような感じでしょう。「酢の物」ではありません。

キュウリの酢の物を作るには、適度な水分を抜き終わったら、塩を洗い流して、洗い水をよく切ります。その後、酢に漬ければ、キュウリが酢を吸い込み、ある程度「コシ」が戻り口当たりのいい酢の物になります。
キュウリには初めから濃い味があるわけではありませんが、清々しい香りがします。塩で絞り過ぎると、せっかくの風味を逃してしまいます。

酢は刺激の強い調味料です。酢の物であっても、酢そのものを飲むのではありませんから、過剰に内部まで酢を染み込ませると、噎せる(むせる)ような風味となりますので注意が必要です。
50%は絞りすぎです。ですから、長くて20分以下で塩を洗い流してしまいましょう。ここが、「コツ」です。まさに「いい塩梅」です。塩梅の「梅」は「梅酢」が語源です。

和え物は、時間が経つと味を著しく損なう理由とは?

外国料理の「コース料理」に当たる日本料理を「会席料理」とすると、「和え物」もしくは「酢の物」のどちらかが必ず登場します。
前回、酢の物をやりましたが、今回はこの「和え物」を科学します。

和え物はこれとは、まったく逆の着想で作られた料理です。酢の物同様、サラダに似ていますが、和え物の方がもっとサラダに近いでしょうか。
*会席料理と懐石は別の料理です。「会席懐石」というものもあります。

和え物は、食べる直前に調理が終わり、すぐに供さねばなりません。時間が味を著しく損なうからです。

和え物
美味しい和え物は、歯切れよく、食材の性質がそのまま生かされた料理です。つまり、原型に近いほど美味しいとされます。和え物に、生食が美味しい食材が選ばれるのは無論です。

和え物の味の主体となるものを「あえころも(和衣)」と呼びます。よい和え物は、あえころもが食材をムラなく満遍に覆っています。

酢の物は、塩による浸透圧現象を利用して、食材に味が染み込めるよう、その分の水分を抜く操作を行いました。
和え物はそれを行いません。あえころもの味を食材内部へ入れない工夫として、食べる直前に調理します。

和え物の料理が完成して、長時間放置(保存)すると、あえころもの味が食材の方へ浸透していきます。
この時、食材から水分が放出されます。丁度、酢の物の下ごしらえの時の「塩」と同じ作用が起こるのです。

和え物にする食材は、味成分が、水分と一緒に出やすいものが多いのです。
和え物で頂くことに向いている食材はこうして、大体決まっています。食材からはその特徴の味が出てしまい、あえころもの分子量の小さな成分、特に塩分が内部に入り込んでしまいます。
姿も味もまったくだらしなくなってしまうのです。この変化は、あえころもと食材の味成分濃度が等しくなって浸透圧がなくなるまで続きます。

ゴマ、ウニなど個体のあえころもの場合はもっと不具合です。液体ではないから、食材に染み込まないと考えるのは大きな誤りです。
これらのあえころもの味を決定している旨味成分が抜け出して、食材に入り込み、食材からの旨味があえころもへ移っていきます。
限界まで、放置すると食材とあえころもは口触りが異なった同じ味の妙な食べ物となってしまって、最悪です。

この点は、外国料理のサラダに非常によく似ています。ドレッシングを食事中にかけるのと同じ理由です。
逆を狙ったサラダに、「ポテトサラダ」があります。あえころもであるマヨネーズがマッシュポテトと完全一体になっています。

オリジナルフレンチドレッシングのレシピ~イケるものを投入しよう!

茹でたジャガイモ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツなどの茹でサラダはマヨネーズが使用されます。
レタスやキュウリなど、パリっとした食感のサラダには、フレンチドレッシングも利用できます。なぜ、茹で野菜サラダにはマヨネーズに限定されているのかご存知でしょうか。
おおよそ見当つくところですが、美味しくなさそうですね。

野菜は茹でると柔らかくなるので、細胞内部に分子量の小さな味成分が入り込んでしまいます。
フレンチドレッシングは、本来、油とビネガーが分離しています。塩分などの味はビネガーに付いています。
これを茹で野菜にかけると、油分以外の成分がどんどん、その細胞内に吸収されてしまい、表面には油のみが付いている状態です。気持ち悪いサラダですね。

ドレッシングいろいろ

スーパーなどで見かける分離のないフレンチドレッシングは、乳化剤で油とビネガーを乳化させているか、油代用として薄い寒天ゼリーを使っているものです。
乳化した状態の液体を「エマルジョン」と呼びます。油と水に洗剤を入れてかき混ぜると、それが油と水のエマルジョンです。
新鮮なサラダには食事直前にドレッシングをかければよいので、ここでは、エマルジョンではない基本的なフレンチドレッシングを作ってみましょう。

フレンチドレッシングはこれだ。と言う決まりはありません。食用油と酢が同量、砂糖、塩コショウで若干味付けしたものです。
食用油としてオリーブオイルなど、本来的香りのあるオイルを。
酢として何かお好みのビネガーを使用すれば、それでオリジナルフレンチドレッシングです。

基本は、油と酢、調味料です。ここへ、投入してイケるものを紹介します。分量はお好みです。

①塩の代わり、もしくはプラスで「アンチョビーのみじん切り」。同じく「ほぐし明太子」同じく、和風の王道「醤油」

②コクを得るには、「卸したブルーチーズ」

③パンチ、アクセントがほしいときは、タマネギの微塵切り。ネギでもいいでしょう。ニンニクは向きません。

④ハードなアクセントとしては、生姜(ジンジャービネガーを使用したら使いません。)、七味唐辛子

⑤彩には、マスタード、ターメリックパウダー(粉末ウコン。沖縄ではうっちん)

⑥おススメ。適量の醤油を煮ながらオイスターソースを加え、冷まします。これはいけます。「XOソース」と言う中国醤油も合います。

⑦酢の代わりにレモン汁。非常に爽やかです。

⑧何かの燻製をみじん切りで入れてもイケます。一番手っ取り早いのが、加熱したウインナーソーセージを微塵切りです。ハムは燻煙面が少ないので、ありがたさが少ないです。

酸化が食品に及ぼす影響について~酸化を防ごう

マヨネーズ作りは少し大変でしたが、酢の物、和え物は難しい包丁捌きは、ほとんど無用な料理です。
これから、家庭料理を始めようとする人には、先ずこの3つから始めた方が実用的と考え、これを説明しました。

料理とは、台所で化学反応を起こす作業です。大抵の金属物質の酸化は、錆等「劣化」状態です。食材においても、酸化は、良くなることはありません。
避けたい化学反応です。酸化した脂質は不味く、臭いです。なにより、人体に有害であると言われています。

先生教えて

ビタミンC(アスコルビン酸)は著しく酸化力の強い物質です。この性質をそのまま人体に取り込むことにより、有害な「活性酸素」を人体組織から引き離されます。
ビタミンCに求めているのはこの作用ですから、食材を酸化から守ることが料理には求められるのです。

混ぜることは、化学反応を促進させる作業ですから、酸化に対するリスクが高い作業です。その点では難しい料理から始めたことになりますが、上達すれば、きっと美味しい料理になるに違いありません。
新米(初めての料理)でも、「台所の科学」を理解していれば、不味くなる理由を知っているのですから、食べられない失敗料理にはならないと思います。

では最後にメレンゲをやってみましょう。
メレンゲはすでに知ってのとおり、これだけで完成した料理ではありませんが、必要な時があります。
ですから、最後に、先ほどのマヨネーズで余った「卵白」で、作る練習だけでもしておきます。

メレンゲもマヨネーズ同様、困った性質があって、楽にできた方が不安定なメレンゲになります。
卵白は2種類あって、古い卵白は「水様卵白」、新し方は「濃厚卵白」です。水様卵白の方が早く泡立ちますが、不安定です。濃厚卵白は安定性がよく、型崩れしにくいメレンゲになります。

作り方は至って単純で、泡たて器で攪拌するだけです。温度が高い方が早く泡立ちますが不安定です。
ボールを予め(あらかじめ)冷やしておいて、ボールの外側を氷水で冷やしながら撹拌します。空気が混ぜ込まれると固くなってきます。ここで、氷水から上げて一気に最後まで攪拌します。

このように2段階に分けて攪拌すると上質なメレンゲが出来上がります。レモン等、酸を入れると泡立ちが早いです。
これ以外の添加物は泡立ちを悪くします。砂糖を加えても泡立ちが遅くなりますが、我慢して攪拌を続けると、非常に肌理(きめ)の細かな、固く丈夫なメレンゲになります。お菓子作りに使用するメレンゲはこちらです。

自家製マヨネーズの作り方。なんだ、割と簡単だね!

自家製マヨネーズを作ります。もちろん科学的に解説しながら作りますよ!

マヨネーズは卵黄を使って酢と油を混ぜ合わすのですが、この方法が二通りあります。卵黄を攪拌しつつに油を入れて行き、酢で伸ばす方法と、卵黄と酢を先に混ぜ合わせ、そこへ撹拌しつつ油を加えて行く方法です。

後者の方が早く、楽に作れます。残念ながら、前者の方がはるかに滑らかで分離しにくい良質なマヨネーズが作れます。ここでは、前者の方法で作りましょう。

マヨネーズの「乳化」、つまりエマルジョンは、油が微粒子になって酢に混ざっているのであって、その逆ではありません。油を乳化するのです。卵黄のレシチンで。

この作用をうまく行うには、17℃が適温です。室温では高いので、冷蔵庫で冷やした卵を使用します。

たまご

作業時間や作業の摩擦熱で温度が上がるので、冷蔵庫から出したらすぐに作業にかかった方がいいでしょう。この温度は難しい所です。温度が低いと乳化が鈍いです。

また、30℃を超えていると油が小さくなりにくく、できあがりのマヨネーズの質は悪くなります。できあがった自家製マヨネーズは冷蔵保存すると分離しやすいです。大量に酢を使用しているので、室温保存してください。

油は極めて酸化しやすいです。油が金属に接していると酸化は早く起こります。フライパンなど加熱調理器は仕方がありませんが、金属泡たて器と金属ボールでの攪拌は、空気を混ぜ込み酸化されやすいので、ホーロー引きのボールを使用しましょう。

酢と油の分量は環境や慣れで違います。いい加減に聞こえますが、マヨネーズらしさの固さになる量が分量です。作業中に分量が決まります。

以下に、自家製マヨネーズの手順を示します。単純作業です。たくさん作っても残ってしまっては自家製マヨネーズのフレッシュさがありませんので最低量を作ります。

①卵黄1個。サラダ油を左に用意しておきます。ホーロー引きボールに卵黄だけを入れ、泡たて器で撹拌します。この作業は最初から最後まで休むことはありません。

②①へ油を少しづつ入れていきます。攪拌は続いています。油を入れる毎に重くなります。

③引き続き油を入れて②を続けます。だんだん固くなり、油の容器を置き、左手でボールを保持しないと掻き回せなくなります。

④ムラが出ないよう攪拌を続けます。そのうち、もう動かなくなったら油の量はそこまです。

⑤④を酢で伸ばします。攪拌は続いています。

⑥マヨネーズの固さになったらできあがりです。ご苦労様でした。

さて、大変でしたね。初めてですから汗を流して頂きました。この作業をミキサーなど、高速攪拌機で行えば、あっという間に新鮮自家製マヨネーズのできあがりです。

マヨネーズのエマルジョン(乳化)と分離について

「エマルジョン」といえば、食品でもっともポピュラーなものは「マヨネーズ」です。
乱暴に表現すれば、フレンチドレッシングを安全な物でエマルジョンにしたものです。その安全なものとは、「卵黄」です。卵黄に含まれている「レシチン」と言う物質の作用で、エマルジョンを作ります。
本当は、レシチンは、全ての生物の脂肪に含まれていすが、卵黄が使い安いのでこれを使用します。

指でなぞる

エマルジョンとは「乳化」した状態のものです。牛乳には脂肪分が多く含まれていますが、普通の状態で保存していても分離することはありません。
牛乳に含まれているレシチンの作用で「乳化」しているのです。牛乳は液体状ですが、通常、エマルジョンは強い粘性を示します。

エマルジョンは、「溶けている」状態ではありません。非常に小さな粒子になって、本来溶けない水中を漂っている状態です。
エマルジョンは「コロイド」の一つの状態をいいます。マヨネーズの場合、油の粒子の大きさは、市販のものでは、1ミクロンほどで、手作りマヨネーズはその倍ほどの大きさです。
手作りの方が大きいですが、それでも十分エマルジョンの状態となります。

コロイドは液体中に分散している状態ですので、粘性があっても動くことができます。こちらを「ゾル」と呼んでいます。動けない状態、つまり、個体となったものを「ゲル」と呼びます。
生卵は「ゾル」状態で、加熱すると固まります。「ゲル」です。
ゾルの傾向が強いエマルジョンで日常見かけるのが牛乳です。ゲル傾向が強いのがマヨネーズです。

栄養素としての油脂類は、エマルジョンの状態の方が効率よく消化吸収できます。油粒子が小さく分散した状態で消化管に送られるからです。
マヨネーズには多量の脂質が含まれており、100gで666キロカロリーです。脂質は酸化しやすいですが、エマルジョンであれば酸化を遅らせることができます。

マヨネーズのエマルジョン状態は、混ぜるという外力で強制的に作ったものですから、元に戻ります。
長時間保存したマヨネーズが劣化して分離しているのは、そのためです。

また、保存環境に影響され、分離することもあります。劣化したマヨネーズは廃棄するしかありませんが、短時間で分離したマヨネーズは再度混ぜることにより元に戻ります。
市販のマヨネーズは工業的に作られているため、油粒子が非常に小さいので分離しにくいですが、手作りマヨネーズは分離しやすいです。